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古筆美手習机 18

連綿線「は」

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連綿と読み

 「は」の上下の関係を見てみました。
上にも下にもそれぞれ60%程度の確率で連綿しています。
 上には「とは」「らは」が多く「支は」「るは」「ては」「春(su)は」「もは」「ちは」「つは」 「爾(ni)は」「のは」「わは」

 下には「はる」「はな」が多く、「はし」「はつ」「はや」「はあ」「はさ」「は乎(wo)」があります。

 こうして見ると運筆として連綿が不可能ということはないようです。
ただ、単語や文節の中で連綿しやすく、句切りのところでは放ちになっていることが多いようです。 書きやすく読みやすい無理の少ない表現と考えてよいでしょう。

 放ちになっているのは「爾(ni)は」「をは」「るは」「もは」「やは」「ては」「みは」「りは」

 「はら」「は不(hu)」「はヽ」「は万(ma)」「はの」「は阿(a)」「はあ」「は遠(wo)」「はふ」

連綿線

「は」という文字の起点は左上でしかもあまり変形できない位置ですので、上の字の終わりからここまで連綿線を引いてこなければ続きません。連綿線を書かずに直接連綿しているのは「とは」「らは」「支(ki)は」「春(su)は」です。

 また「は」の修筆は右下で、中央に移動させると文字の中の空白が変形してしまうので次への連綿はしにくい文字といえます。直接連綿しているのは「はし」のみで、他は連綿線を書いてつないでいます。

 こうして連綿線が上にも下にも生じやすいので、その工夫はどうなっているのか興味のあるところです。

左の画像の場合「3.はる」では「は」の最終画を中のほうまで書いて、そこから連綿線に変わっています。  



一行を臨書

 数文字の練習から一歩進もうと、「は」を含む行を選んで臨書しました。含墨や放ちの位置で読みやすさが変わることを感じながら。


2003.4.3.


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