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古筆美手習机 13

実物大臨書



反古



実物大臨書

9ページと10ページの説明画像のために実物大部分臨書をしました。
左の写真がその結果。
2月に切っておいた練習用紙(7枚)が尽きて終了にしました。満足な出来ではありませんが満足するのが何時になるか分かりませんので。
たくさん書いた中で一番ましなのをスキャナで読みこみました。

2月中旬から3月中旬まで筆を持たず、目習い。
3月中旬から4月中旬までの1ヶ月間に前ページとこのページの画像を作りました。
その間筆を持ったのは6〜7日。1回の時間は1.5〜5時間です



連綿区分

連綿区分



連綿区分 (9ページと←に掲載の画像)

形にこだわって動きとしてはもどかしい。字形はあまり似ているとはいえません。連綿線と墨量の感じで選びました。

連綿区分 穂先が紙から離れて全く連続していない。
これははっきり表示しました。
次の「と」も、その下の「と」も第1画がもっと小さいのですが・・したがって字形が似ていません。

連綿区分 上の最終点が下の起点と一致している。
このタイプの連綿の仕方が多く使われています。

連綿区分 穂先が離れているところと下の字への起点が一致している。
画像にした段階で切れてしまいました。ごく細い線でつながっています。

連綿区分 連綿線で続けている。
この連綿タイプも多い。
もっと長い連綿線です。「や」がうんと左に出っ張っ横に長い。

連綿区分 連綿線で続けているがかすれていて切れて見える。
「け」からの連綿線はこうして字の収筆にポキッと折れたように書かれていて特徴的です。ほかには「み」「い」「礼(れ)」にたまに見られます。
ここは線が見えないように書かれているので、連綿してないと区分する方が適切かと思いなおしました。連綿区分は見かけが○連綿している、と○していない、に分けてもう一度データコードを検討して入力しなおしたいと思います。

連綿区分 連続していない。下の字の一部が上の字の最下点より上にある。
筆の動きは連続しています。切れて見えるだけです。これも画像にした時に細部が見えなくなってしまいました。
この技法は「本阿弥切」に多用されています。他の古筆にも見られます。このテキストではほかに「とき」「ゆき」「しま」「や悲(ひ)」があります。

連綿区分 下の文字の第1画に上の最終画を利用している。
重たくなってしまいましたが連綿関係は分かりやすいと思います。この、1画節約した書きかたはほかに「け利(り)」「れと」があります。



頻出19文字

頻出19文字



頻出19文字(10ページと←に掲載の画像)

 の、と、る、可(か)、尓(に)、し、は、み、ら、利(り)、支(き)、な、者(は)、多(た)、い、ひ、や、さ、こ
19字全部が出てくるように、しかもそこそこ美しい姿の部分を選びました。

連綿線の画像よりは丁寧にたくさん書きました。形を見ていただくため筆勢は充分とはいえません。もっとすっきり見えるまで書きこめばよいのですが。線の太さの変化や墨の加減がむずかしく、もちろん字形も難しくて、現在のところこの程度。

「ときの」。テキスト15p.含墨部分。「の」がもっと横に広がって伸びやかです。

「やとり」。テキスト12p.「や」もう少し左が出ている。「と」字幅がもっと狭い。

「いたり」。テキスト13p.かすれ部分。「い」から「た」への連綿部分が表示してないが細くなめらかにほぼ繋がっている。「り」の1画目がもっと左傾斜。

「かしらに」。テキスト6p.行末で目立たない部分。「らに」がやや伸びた。行の余白が少ないところに押しこんで書いてあるがおおらかな線が美しい。

「さかりにひさし」。テキスト18p.「ひさし」がもっと左。「さかりに」と別々に練習したので連結部分をまだよく見てなかった。

「はるは」。テキスト3p.「者」の墨量がやや多い。形はかなり似た。「は」の結びはこんなに右に出ていない。

「はることに」。テキスト14p.行頭。「はる」と「ことに」の線のボリューム差がもっと大きい。

「なみ」。テキスト3p.含墨部分。形は似たが姿勢にゆとりがなく小さくなった。

・・・と不満がいっぱいですが、これから丁寧に勉強して上手になりたいと思います。この19文字でテキストの54%です。繰り返し出てくるので今回の練習は基礎として役に立つと思います。

およその字形はおわかりいただけたのではないでしょうか。縦に流れる美しさや墨量の変化など「かな」は魅力にあふれています。

2002.4.24.

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