古筆美手習机 11
横線・「や」
ボタンを押してね!
や かや ふむや
や みや よませ
をや み(見)や
そ(曽)てや なや
くや あや やとり
みましや
反古
横線
高野切れ第一種でもっとも目立つ横線は「や」です。
横線の練習をしようと横線を選んで書いていると、多くの横線が非常に短いということに気付きました。「み」「て」「つ」「の」「ゆ」「わ」などの横線が拾えますが、何といっても「や」が長いのではないでしょうか。いずれ測ってみたいと思います。横線も縦線と同じく直線ではありません。お皿が伏せているようなのと受けているようなのとがあります。1.の下にある「不むや」「よませ」がテキスト6頁に並ぶように似た構造を見せています。どちらも含墨したばかりの筆で小さな横線から始まり、連綿線で3文字が繋がっています。「や」はお皿をふせた形の、「せ」は受ける形の長い横線があります。書いてみて難しかったのはその横線の直前の長い連綿線でした。このために沢山書きました。
また、「よ」「ま」の最終画が横線であるのに気付きました。結びが横線なら、かなの基本線として横線はやはり重要ではないでしょうか。
「や」
「や」は、第1画の起点がアタリで始まっています。左上の単体のように。ここで筆を紙から離して息継ぎできます。含墨のあとの起筆だけは右上のようにすんなりとした横の動きで始まっています。長い横線には太さの変化がある場合が多くそれを似せるのにまた手間取りました。右の端にきて右回転は筆管が親指を支点に回旋し、2画めの小さな点も右回旋します。2回まわったあと左へ移動して縦線に移りますが、この縦線で表情が多彩になります。
まずその最終画の起点が上からの連綿線より上にあるか下にあるかの2通りあります。上にあるのは「みや」、下にあるのは「可や」「不むや」。
最終画の長さは多様です。右上の単体は短いタイプです。他は中ぐらいです。2.3.のボタンを押して最終画の表情をお楽しみ下さい。
練習量
これらはロール紙に実物より大き目に臨書しました。
ここまでの、「横線」と次ページの「春の作品」と運筆練習に使ったロール紙は37枚です。2002.4.21.