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古筆美手習机 10

連綿の傾向


ボタンを押してね!
左端は手本のページ番号









集計と表示

 ようやく集計作業に入りましたが、エクセルの教科書1冊とヘルプを参考に格闘、並べ替えと抽出ができるようになるまで1日掛かりました。
 そして集計ボタンを押すと、入力ミスがあちらこちらに見つかって、集計はそろばん片手に手作業にしてデータの入力間違い(・・to1をto11にしているとか・・)を訂正、ここに掲載の表までに3日。

 表を作るよりエクセルの表を画像にしたほうが早いと気づいて、また試行錯誤。
java scriptを使うと沢山の画像が見てもらえると気付いて前ページに遡って修正。初めてのことというのは手間取ります。また2日。

 データが30以上ある文字の連綿の関係が下の表です。エクセルではこのような2行構成のデータ表示はできません。
 なおこの19文字の合計が890ですのでこれで総数の54%にあたります。

 左に具体的な文字関係を画像で表示しました。こういった抽出・並べ替え・それに四則計算があっという間にできるのは本当に便利です。 

頻出19字の連綿の傾向
文字行頭上放ち上連綿データ数下連綿下放ち行末
コード
上放ち%上連綿%文字下連綿%下放ち%
159248443365
no1
71%29%54%46%
328508160174
to1
36%64%78%22%
296879302920
ru1
12%88%51%49%
315335136132
ka2
31%69%73%27%
尓(結)05444912316
ni2
90%90%28%72%
02464823205
si1
4%96%53%47%
615254625174
ha1
38%63%60%40%
715244615301
mi1
38%62%33%67%
16394618162
ra1
13%87%64%36%
22404421185
ri2
5%95%54%46%
316234219203
ki2
41%59%49%51%
22116392784
na1
57%43%77%23%
11208393450
ha2
71%29%87%13%
31322383053
ta2
37%63%86%14%
5217332562
ai1
75%25%81%19%
312173214180
hi1
41%59%44%56%
2822320311
ya1
27%73%0%100%
114163118130
sa1
47%53%58%42%
313143019110
ko1
48%52%63%37%
小計5829453889047934467


42%58%65%35%
合計140605910165560%40%

頻出19文字

頻出19文字

使用頻度20位以下

て 28、め 28、く 27、よ 27、ヽ(繰り返し記号) 26、
ま 23、む 23、ち 20、春su 20、あ 19、
う 19、ゆ 19、ほ 18、を 18、け 17、不hu 17、へ 15、そ 14、
つ 13、ん 13、曽so 13、天te 13、能no 13、お 12、き 12、
奈na 11、た 11、れ 11、介ke 11、徒tu 11、礼re 11、
も 10、ろ 10、世se 10、・・・

 古今集の春の歌なので「はる」「はな」「ゆき」「うめ」「さくら」などが多く、また、「よみひとしらす」なども多くでています。

 ここまでにふくまれていない「ひらがな」は
り 8、わ 8、ふ 7、ぬ 6、せ 5、え 4、か 4、に 3、す 2、ね 1、ゑ 1
です。

感想

 高野切第一種は、ほかの古筆に比べるとこまめに切っていると見えます。筆の動きでいうと上下動が大きくて度々筆が紙から離れているわけです。濃淡を楽しむ人のようで墨継ぎの回数が多いことも連綿が少ない、あるいは少なく見える理由かも知れません。これで平均2文字は続けていると分かりました。

 切る場所は行換えと墨継ぎ、あとは形、つまり余白のあり方でしょう。

 しかしこうして統計をとってみると連綿している字は決まっているかのようにパターンがあります。「や」は上からはなんでも続けて、下には決して続けない、上下ともに続ける「る」は下に「の」がくると離す。「と」は「の」に続ける、・・・、こういった癖をいくつか覚えるとちょっと似たものが書けるかもしれません。手習の時に単体と同時に連綿線もつけて覚えようかと思ったりしました。

 たった19文字上手になれば半分はよく見えるのだと思うと、効率よく勉強したいとちょっと欲が出てきました。

2002.3.18.

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