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報 徳 訓 (改訂版)

 

 楷書作品

文面に間違いがありましたので訂正してリニューアルしました。
そこで、いちど写経のような作品を作ってみたいと思い、この 「報徳訓」を選びました。
9文字×12行=108文字、 ちょうど手ごろです。

報徳訓

父母の根元は天地の令命にあり
身体の根元は父母の生育にあり
子孫の相続は夫婦の丹精にあり
父母の富貴は祖先の勤功にあり
吾身の富貴は父母の積善にあり
子孫の富貴は自己の勤労にあり
身命の長養は衣食住の三つにあり
衣食住の三つは田畑山林にあり
田畑山林は人民の勤耕にあり
今年の衣食は昨年の産業にあり
来年の衣食は今年の艱難にあり
年年歳歳報徳を忘るべからず

↑背景写真はThe Material Collection さんからお借りして加工した「花」。・・・ これで字の下手さは目立たない♪
↓同じくThe Material Collection さんからお借りして加工した「風景」。

 作品原画

大きな画像

原寸 24cm×34cm
筆:ささ舟(松魁堂)
墨:さをしか(墨運堂)
紙:中国画仙手すき半紙 

 道徳

子どもの時には人生は努力次第と思っていても、大人になると現実はそうではないと 思うようになります。昔の人はそれを子どものときから教えました。 自分ひとりで生きているのではなく天地自然があり、親があり先祖があり、 他の人があり、その行動によって自分の境遇が決まっていて、自分の行動がまた 子孫や他人の境遇を決めること。感謝と勤労と積善の奨めをこの報徳訓はわかりやすく 説いています。
明治時代から敗戦まで、日本を世界一高い道徳をもった国として国民に自負させたのは こうした堅実な思想ではなかったでしょうか。 これが日本の道徳の基本といえるかもしれません。

尊徳は不遇な生涯を通してこの思想をつくり、普及につとめました。 それは死後弟子たちによって伝えられ今日に到っています 。明治時代には農民の教えとして普及させていましたが 、今は百姓を文字通り百の姓と考えてこの教えを解釈することができるでしょう。



素材サイト『The Material Collection』の arm 様より

書道と当素材の関連が想像できなかったのですが、拝見させていただき“なるほ ど”と思った次第であります。近ごろ、書道をすることはほとんどありませんが、も ともと墨の香りや半紙に向かう時の気持ちなどがとても好きなこともあり、またWEB というデジタルの世界でも手書きの作品が拝見できるというのは、とてもいい感じが しました。